よくある質問 Q&A

預託金会員制のゴルフ会員権の預託金償還と損益通算(所得税)

私は7年前に5,000万円で購入したAカントリーゴルフ会員権について預託金の変換請求の申し出をしたところ2,000万円の返還を受けました。
この場合、3,000万円の損失について給与所得などとの損益通算は認められますか。
預託金返還請求権を行使することによって、ゴルフクラブなどの会員としての権利(地位)を消滅させたもので、ゴルフ会員権を譲渡したものではありません。
したがって損益通算することはできません。
預託金会員制のゴルフ会員権は、ゴルフクラブの会員としての権利(地位)であることから、譲渡所得の起因となる資産に該当し、その売買による所得は、譲渡所得の課税対象とされています。
しかし、今回のゴルフ会員権の預託金の償還は、預託金債務を消滅させる行為であり、資産の移転には該当しないことから、譲渡損失は生じていないこととなります。

「相続させる」と「遺贈する」の効力(相続)

遺言書に「○○県○○市○○町○番地の宅地××㎡は甲に相続させる。」と記載した場合と、「・・・は甲に遺贈する。」と記載した場合とでは、その遺言の効力にどのような違いがあるのでしょうか?
相続人に対する遺言書の記載方法としては「甲に相続させる。」とするのが一般的です。特定の財産について「甲に相続させる。」と記載された遺言書があった場合には、遺言者の死亡と同時にその財産を指定された相続人が相続するものとしています。この場合、他の相続人との遺産分割協議書の作成などの手続きを必要とせず、事後の不動産登記などの面からも簡便であるといえます。
「甲に遺贈する。」と記載する遺言書は、相続人以外の他人に財産を残したいケースが考えられます。「甲に遺贈する。」旨の遺言書があった場合、遺贈の相手が他人ではなくたとえ相続人であっても、遺言執行者の指定がない限り相続人全員の実印が押された委任状の添付がなければ不動産登記の申請ができません。
このように遺言書は、その記載の仕方によって効力に差異が生じることになります。遺言者の意思を最大限に反映させる手段が「遺言書」であるというわけです。

圧縮記帳について(法人税)

圧縮記帳とは
どういうことですか?

圧縮記帳とは補助金の受入や交換・買換により取得した固定資産の取得価額を一定額減額(圧縮記帳)して、課税の繰延を図る制度です。圧縮記帳された年度は圧縮損により所得が減額されますが、その後の年度は圧縮損分の減価償却額が減少し、所得が増加することになります。
つまり、該当する取引による所得を一時に課税するのではなく、段階的に課税していくという考え方です。

圧縮記帳には次のようなものがあります。

<法人税法の規定を受けるもの>

  • 国庫補助金等で取得した固定資産等
  • 工事負担金で取得した固定資産等
  • 保険金等で取得した固定資産等
  • 交換により取得した資産

<租税特別措置法の規程を受けるもの>

  • 収用等に伴い取得した資産
  • 換地処分等により取得した資産
  • 特定資産の買換えにより取得した資産
  • 大規模住宅地等造成事業の施行区域内の土地の交換により取得した資産
  • 特定普通財産とその隣接する土地等の交換により取得した資産

学生の長男に支払う給料について(所得税)

長男が専門学校に行っています。私の個人事業(青色申告)を1日あたり2~3時間、週に4日程度手伝ってくれています。長男に給料を支給した場合、私の事業の必要経費にできますか?
必要経費とは認められないと思われます。
青色専従者給与とは、「事業に専ら従事する期間が6ヶ月を超えていること」が適用要件の一つとされています。「事業に専ら従事」とは、原則としてそれぞれの事業内容、その親族の職務内容等によりその親族が従事すべき時間において、そのほとんどの時間を従事している、あるいは従事し得る状態にあることと考えます。したがって、必ずしも就業時間のすべてに従事しなければならないということではありませんが、ご質問のように専門学校に通っており、1日に2~3時間、週に4日程度という現在の状況では「事業に専ら従事」とは言えないため、必要経費とは認められないと解するのが、相当であると思われます。

遺言の種類について

将来のことを考えて、遺言書を作成することにいたしました。
遺言のしかたには「包括遺贈」と「特定遺贈」の2種類があると聞きましたが、違いを教えてください。
遺言によって、財産の全部または一部を人に贈与することを遺贈といい、相続人だけでなく、相続人以外の第三者にも、財産を残すことができます。
遺贈には「包括遺贈」と「特定遺贈」の2種類があります。
包括遺贈とは、「財産の全てを長男に与えるとか」とか、「財産の1/3を次男に与える」というように、割合をもって指定した遺贈をいいます。
この場合、遺贈を受けた人は、相続人と同一の権利義務を有するとされており、財産ばかりでなく、債務(借金等)も負担する義務が生じることになります。もし、残された財産が債務超過であった場合、相続の放棄と同様に、遺贈の発生を知ってから3ヶ月以内に、家庭裁判所に申し述べて遺贈の放棄をすることが認められています。
これに対して、「特定遺贈」とは「○○町の土地○○㎡を長男に与える」とか、「××銀行××支店の定期預金No.×××を次男に与える」というように特定の財産を与えるものです。「特定遺贈」の場合、遺言で指定された財産を取得する権利が発生するだけで、債務について特に指定がない限り、負担義務が生じません。また、いつでも遺贈の放棄をすることができ、家庭裁判所への申し述べも必要ありません。
この点が「包括遺贈」と「特定遺贈」の異なる点です。